建設石綿被害者補償基金制度を求めています

全国の建設アスベスト訴訟の状況

2008年に東京1陣訴訟が提訴されて以来、この10年間で、北海道・東京・神奈川・京都・大阪・九州の6か所にそれぞれ1陣訴訟・2陣訴訟が提訴されました。
全国で計12件の訴訟が進行しており、原告数は約800名、被害者数は約700名となりました。
これまでに、7つの地裁判決、4つの高裁判決が出され、このたびの大阪高裁第3民事部判決をもって、対国は10連勝となりました。さらに、本年3月の東京高裁第10民事部判決、8月31日の大阪高裁第4民事部判決に引き続き、大阪高裁第3民事部判決も、一人親方に対する国の責任を認めました。
建材製造企業の責任を認める判決も、5つとなり、これまでに13社の責任が認められています。

一刻も早い解決を

これだけの判決が積み重ねられ、さらに、大阪高裁第3民事部、第4民事部では、裁判所から和解勧告・打診があったにもかかわらず、国と企業はこれを拒否しました。提訴から10年が経ち、多くの被害者が命を落とし、病も進行しています。一刻も早い解決が必要です。

最高裁判決を待たずに解決は可能です

国は、原告らが解決を要請しても「裁判で係争中だから」の一点張りです。しかし、過去の公害や薬害の裁判では、地裁で国の責任が認められた後に、高裁判決を待たずに和解によって解決が図られたケースはたくさんあります。

建設アスベストのように国が10連敗していながら、しかも高裁判決で4回断罪されていながら、話し合いのテーブルにつかないということは極めて異常な事態です。
国は、最高裁の判断を待つまでもなく、今こそ解決に向けて動くべきです。

裁判だけではすべての建設アスベスト被害の救済ははかれません

全国で裁判闘争が続けていますが、裁判によって建設アスベスト被害を救済するには大きな限界があります。

国は、泉南アスベスト国賠訴訟と同様に、最高裁判決で負けた後に、「提訴したら和解に応じる」
という司法解決方式をとればよいと考えているのかもしれません。
しかし、建設アスベストは、司法解決方式では適切な解決をはかることができません。
責任を負うべき国と石綿建材製造企業、ゼネコン等が応分の負担をして基金を創設し、速やかに建設アスベスト被害者を救済することが求められています。

労災補償・石綿救済法による給付と損害賠償は異なります

生命・身体が傷つけられたとき、主なものとして、生存の場合には、①治療費、②休業損害、死亡の場合は、③逸失利益、④葬祭料などの損害が発生します。さらに、健康を害されたことまたは生命を奪われたことに対する慰謝料も発生します。この慰謝料額は、様々な事情を総合考慮して決定されることになりますが、交通事故の場合、一家の支柱が死亡した場合の基準は2,800万円とされています。
ところが、アスベスト被害者が労災保険法または石綿救済法によって補償(給付)されるのは、上記①~④の損害であり、慰謝料はその対象とされていません。
そのため、アスベスト被害者が慰謝料を償ってもらうためには、加害者を相手に裁判を提起しなければなりません。